ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

ぶつどり

いろんなサイトを検索している時にビーチコーミングのブログを見つけたのですが、偶然にも知っている方のブログでした。以前、いや、今でも時々親方がお世話になっている方です。確かフリーで編集のお仕事されていらっしゃったかと思うのですが。

私がそのブログに惹きつけられたのは、著者が知っている人だったからではありません。それは後で気がつきました。

ブログの内容は、ただ海岸で拾ってきたものを紹介しているのですが、その写真がとても綺麗なんです。「物」は必ずしも綺麗なものではなくて、「また、この子ったら、こんな物拾ってきて!!」とお母さんに怒られそうなものばかり。空き瓶、瀬戸物のかけら、魚や動物の骨のかけら、貝殻。それら全てが、とても貴重な宝物に見えるように撮影されているのです。

昔見たテレビドラマで、写真家を演じる伊武雅刀が、アシスタントの原田知世に向かって「まずは、物撮りから始めろ! 物撮りをなめると痛い目に会うぞ!」と言っていたのを、思い出してしまいました。物撮り(ぶつどり)というのは、字の通り、物を撮影することで、商品を宣伝する広告写真が多いですね。

私が物撮りをするのは、もっぱらオークションで何か売りに出したい時でしょうか。オークション初心者だった私に、ご近所の先輩が「高く売る秘訣は、まず、きちんとした写真を撮ることだ!」と伊武雅刀のように力説していました。ちょっとした小物でも、本当に綺麗に撮ろうと思うと、あっという間に1時間以上かかってしまいます。「結構面倒くさいね。」とぼやくと、「少しでも高く買ってもらおうと思ったら、それくらいの苦労は当たり前だ!」と怒られてしまいました。

皆、苦労してるんだなあ、と思っていたら、最近ではオークション便利グッズとして小さなスタジオ・キットみたいな物が売ってるんですね。私もよっぽど買おうかと思ったのですが、我慢したまま。

でも、今回のブログを見つけて、ちょっと久々に頑張って物撮りする気になっちゃいました。できるだけ、そのブログの写真を真似できたら良いなあと思い、素材は貝殻。撮影器材は三脚くらいしかないので、満足できる仕上がりにはなりませんでしたが、あとはフォトショップで努力。

八丈で一番手軽に拾えるハナマルユキダカラの貝殻。

せっかくだから、生きている時の姿も載せておきましょう。生態写真が撮れるのはダイバーの特権ですもんね。

同じく普通種のハナビラダカラの貝殻。

生態写真はこんな感じ。

どっちかと言うと、貝殻の写真の方が撮影にも仕上げにも時間がかかっています。時間と集中力と技術力があれば、装備不足の私にも、工夫次第でもっと良い写真が撮れそうな気もします。

デジカメだからやってられるけど、銀塩しかなかった頃の写真家はすごいなぁと思いました。


水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

伊豆諸島・八丈島

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