潜るコピーライターのアンダーウオーターズポエム | 豪海倶楽部 |
まさにLethe(忘却川)のほとりにて 大晦に月光浴をする。ちょっと理屈にはあわないが、JUN-Pは一人ベランダで除夜の鐘を聴くのが好きだ。いつも一緒にいる水晶やら貴石達の月光浴をかねる。12月、冴えた冷気のうるおいは結晶のすきまを這い、月光を道案内し粒子達との仲介をはたす。光と粒、水はよろしく出会いよろこびにるりるりと輝く。ぬばたまの月光に時、相乗し、滴りおちぬ結晶の露。なんとなく秘薬にちかいビジョン。JUN-Pはおなかがすいた小っちゃい子のように、それでもお利口にいずまいをただし「いただきます」をする。そうして再び身につけた時のひんやり感はなんとも形容しがたい。ぷるんとした身震いが経絡を透る。鐘の波動も手をかすのだろう、水は心にぷすぷすと発酵する澱を吸い取って気化していってくれるような気がする。尤もJUN-Pの澱は濃そうで、貴石達に申し訳ない気がするので、又あわてて外しザーザー塩水で流して月光浴のし直しをさせるのだが・・。これはJUN-Pなりの浄化儀式。消すのではなく、持っているものを淘汰し、更なるものをひき出すために。理想を言うなら一人夜の海に潜り、水面で月の光りを浴びて禊ぎするのが絵的にも良いのだけれど。如何せん一人で潜れない(しかも夜!)JUN-Pには無理。よしんば決行しても美しいどころかあぷあぷして、お月様も見るに耐えないと背をむけるだろう。それは困るなぁ。 お月様と貴石と海の話はまだまだしたいが、時節的に除夜の鐘で繋いでみる。 世の中にはそれだけ忘れたい事が多く、何かを忘れたいと思う人が多くいるということか。 けれど、一個だけ捨てるのは無理だ、自分だけが捨てるのは無理だ。想いは自分の中でさえ全部繋がっているのだから・・、想いは自分一人だけでは終結していないのだから・・。そう考えれば目の前に川があっても決断を下せない人はいるのではないだろうか?捨てたいこともあるよ。もちろん。けど。 「忘れたい」けども「失いたくはない」。立ち去れず、想いも切れず揺れる葦。幹をなくした古い切り株。糸を垂るる釣り人。どうすればいいのか答えなんてないと知りながら。ただ待っているのだ。何を?。ううん、わからない・・。けれど、いつまでもいつまでも動けないでいる。未練がましいと言われればそれまでの・・ JUN-Pなどはその最たる端くれだ。 まさにLethe(忘却川)のほとりにて ****** ****** ながい旅の途中 「捨ててしまおう、もぅ想いなんて」 『楽になれ』と誘いかける 髪をあらう恋人 捨てたはずの想いを悔い 釣り人そっと胸を抱いて あぁまさにLetheのほとり 糸の先にゆらぐ想い 尚たたずむ唯たたずむ 待ちて・・・・・・ Very thanks to Mr.Y.I (SP scanist !!!) |
JUN-P(仲 純子) 大阪在住ファンダイバー 職業:コピーライターとか 1994年サイパンでOWのライセンスを取得。 宝物はログブック。頁を開くたび、虹のような光線がでるくらいにキラキラがつまっています。 海に潜って感じたこと、海で出会った人達からもらった想いを、自分のなりの色や言葉で表現して、みんなにも伝えたいなぁ。。。と思っていました。そんな時、友人の紹介で雄輔さんと出会い、豪海倶楽部に参加させていただくことになりました。縁というのは不思議な綾で、ウニャウニャとやっぱりどこかで繋がっているんだなぁ・・って感動しています。どの頁がたった一枚欠けても、今の私じゃないし、まだもっと見えてない糸もあるかもしれない。いままでは、ログブックの中にしまっていたこと・・少しずつだけど、みなさんと共有してゆきたいです。そして新しい頁を、一緒につくってゆけたら嬉しいです。 |