ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ | 豪海倶楽部 |
第三話 まさに天女降臨 繁殖期を迎える頃になると、アカタチの仲間は人間なんてモノともせずに、一心不乱に餌を食べ捲ります。当然、近付き過ぎれば巣穴の中に逃げ込んでしまいますが、その危険察知距離が繁殖期を迎える前と比べて格段に近くなります。巣穴の直近にいるのならまだしも、遥か上空を旋回しているのを知らずに、僕が巣穴を覗き込んでいると、一緒に巣穴を本人(アカタチ)が覗いてしまっているのには、大笑いしてしまいます。 そんな大らかな状態は、繁殖期だけなんです。水底から水面を見上げると、天空を舞う天女のようにイッテンアカタチが入り乱れています。そして、吐き出した泡に驚いて、巣穴に戻る優雅さといったら、まさに天女が地上に降りたつような、ある種艶かしい雰囲気があります。あの、たゆたゆとした動きを見ていると、もしかして昔の人は、このアカタチの仲間を見て天女が舞いおりた事や松にかけられた羽衣を想像してしまったのではないか?と民俗学的思った次第です。伝承や口伝などには、このような事実をキーワードとした物語も沢山あるんですよ。これが、あてハマるとは思えませんけどね。(ちょっと創り過ぎ?) |
鉄 多加志 1965年生まれ 清水出身 生まれ育った環境が、都市部?の港湾地域に近く、マッドな環境には滅法強く、泥地に生息する生物を中心に指標軸が組み立てられている(笑)この業界では、数少ない芸術系の大学出身で写真やビデオによって、生物の同定や生態観察を行う。 通称「視界不良の魔術師」 静岡・三保 ダイバーズ・プロ アイアン 〒424-0902 静岡市清水区折戸2-12-18 Tel:0543-34-0988 Divers Pro IRON blog.goo.ne.jp/under-w blog.livedoor.jp/diverspro_iron ameblo.jp/g-iron iron@if-n.ne.jp |