ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

第八話 三つの穂先を保つこと

天女が降りた頃は、さぞ海が奇麗だったんでしょうねぇ。その証拠に、僕が生まれる前には、清水港の奥(折戸湾)でさえ、真珠の養殖が盛んに行われていたくらいですから、その素晴らしさは推して知るべしです。さて、このへんで三保の由来について触れておきたいんですけど…いいですか?(笑)

もともと三保は「美穂」だったんです。半島の形が稲穂の形に似ていることから、このように呼ばれたそうです。そして先端が三つあるので「三穂」と表記され、現在の三保に至りました。すごく時代や状況を反映した表記の変遷だと感じます。現状の「三保」は、海岸の浸食を受けて、三つの稲穂の先を保つのが精一杯である状況をまざまざと映し出している苦肉の表現と言えます。

しかしねぇ、この策がイタだけません。これだけ科学が発達して、環境に対する配慮が要求される世の中だと言うのに、相変わらずコンクリートの塊をブチ込んでいます。行きがかり上、僕もブチ込む片棒を担ぎますので、大きな声では言えませんけど…。風光明媚は何処へやら、一体誰のために行っている工事なのか…天女に降りてきていただき、聞いてもらいたいものです。(笑)

願わくば、住所は現状のままでよいので、表記も現状も「美保」にして欲しいものです。


イトヒキハゼの極小ヤングと思われる個体(1cm)もちろんトリミングしてます

鉄
鉄 多加志

1965年生まれ
清水出身

生まれ育った環境が、都市部?の港湾地域に近く、マッドな環境には滅法強く、泥地に生息する生物を中心に指標軸が組み立てられている(笑)この業界では、数少ない芸術系の大学出身で写真やビデオによって、生物の同定や生態観察を行う。

通称「視界不良の魔術師」
静岡・三保

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